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「あっついねぇ…」
「……。」
「イーグくん知ってる? 今日って今年一番の暑さなんだって……」
「……。」
「セミもめっちゃ鳴いてるねぇ……」
「……。」
「ほんっと夏だ――」

「うっせぇんだよ黙って座ってろよクソが、やることねーならそのてめぇのその残念な頭がどうすりゃまともになるかについて考えてろ。ってゆーか、てめぇの存在が確実にこの部屋の室温あげてんだよ。体温とかなくせ、むしろいっそ消え失せろマジで」
「ヒドくない!?」

「あー……くそ。喋ったら余計にあちぃ」
「ご、ごめん。ってゆーか、暑いなら脱いだほうがいいんじゃない? そのクローク」
「……一度脱ぐとメンドくせーからヤダ」
「え? なにが?」
「仕込み。ナイフとか札とか」
「入ってるの!? そのクロークに!!?」
「じゃなきゃこんなもん付けねーよ。何だと思ってたんだテメェ」
「いや、クロークとかマントってヒーローっぽいしてっきりそーゆうのが好きな――うん、ごめん、ほんとごめん。
 やめてナイフ出さないで、ごめんなさい!!」
「発言には気ぃつけろよ。俺、このクッソ暑いのにイライラしてっから」
「すいません、もう言わないから笑顔で首にナイフあてるのヤメテクダサイ……」
「分かりゃーいいんだよ。ってか、刃先に汗つけんな、キタネェ」
「理不尽!!」

「うぅ……イーグくん、いくら暑いからってイライラし過ぎだよ……イライラは身体に良くないよ?」
「うっぜぇ」
「うざくない!! もう……あーでもイーグくん、後ろの髪がちょっと長いのも暑い原因じゃない?」
「……鳥の巣みてぇな頭に言われたくねーんだけど」
「と、鳥の巣じゃないもん! オレのほうが短いし!!」
「たいして変わんねぇだろ」
「変わるの! イーグくん、後ろ首見えてないし……
 あ、そうだ。暑いなら髪結んであげよっか? ちょっとは涼しくなるかも」
「はぁ?」
「うん、イーグくんくらいの長さなら大丈夫。ほら後ろむいてー」
「っ! 触んなっ!!」
「だいじょーぶ、すぐ終わるって!
 前にアンリちゃんが暑いって言ったときに買ったげた髪ゴムが2つでセットだったんだよー」
「てめぇ! 余計なことすんじゃ――」
「……よし、できた!!」


「うん、うまくできた! イーグくん似合うね〜その――








ハートの髪ゴム!!」



「……………………。」

「ん? イーグくん、どうしたの?? なんか目が怖――」
「……ロウ、おまえも暑いだろ? 髪」
「え? オレ? いや、オレは別に」
「切ってやるよ」
「……ハイ?」
「そのうっとおしい髪、切ってやるって言ってんの。ほら、じっとしてろ。すぐに涼しくしてやっから」
「いやいやいや!!! 違う!それ違う!! 
 ナイフじゃ人の髪は切れません!!! せめてハサミ――ってそれも違う!!
 なんで!?なんで怒ってんの!? ハートじゃなくて星がよかったの!?」
「黙れよボケ。
 うっかり手が滑ってナイフに血が付いたらどーすんだ? オラ座れよ、その暑っ苦しいの綺麗に刈り取ってやっから」
「結構です! オレふつーに気に入ってるからこの髪形!!
 ちょ、イーグくんやめてナイフしまって! ちょ、ほんとに――」



っぎゃぁぁぁぁ!!!!


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テーマ『髪を切る』
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2014.08.20 ... 文:花酉 イラスト:Ecila